子供への「啓蒙」で肥満は減らせるのか??
- 成田 陽一
- 2016年1月17日
- 読了時間: 2分
みなさん正月太った分はしっかり戻したでしょうか。体が重くて布団から出られない日々が続きますね。そこで今回は正月太りにあやかりまして、普通の体形の人が目立ってしまうほど肥満の多いインドで、子供のときから肥満をなくしていこうという難題に挑む教育機関の取り組みをご紹介します。
1月7日HindustanTimes”Inspect lunch boxes to ensure students don’t eat junk”
和訳(一部抜粋)
近年、中等教育中枢機関であるCBSE(Central Board of Secondary Education)は、学校に対して、チップス、インスタントラーメンなどの食べ物を、学食と学校の200メートル以内で食べることを禁止した。
加えて、CBSEは、学校が生徒のBMIを把握するだけでなく、教師が親に対してもよい食習慣を伝えることを求めており、また、「栄養週間」のようなイベントが学校主導で1年を通して開かれたほうがよいと述べている。
この記事を読んで真っ先に浮かんだ疑問は、中学校ってジャンクフード持ち込み大丈夫なの?ということだった。日本の中学校ではお菓子の持ち込み禁止、飲み物は牛乳だけと縛られっぱなしだった記憶しかない。だが、その生活習慣は今でも自分の中に根付いていて現在役立っている。
このような日本の子供のころからの習慣作りは、戦後のGHQ支配の時代から行われていた。コメが主食である日本において、アメリカが日本への小麦の輸出量を増やすために、いかに日本人に小麦を消費させるか。そこでGHQがとった手法が「給食」である。給食にパンを導入し、小麦の味の定着を図った。すると恐ろしいものである。小麦の消費量が急激に伸びたのである。このように、子供への味の「啓蒙」は絶大なインパクトを持つ。
そのため、今回の記事のような肥満を撲滅するための習慣作りは、インドの肥満を抑制する切り札となるかもしれない。そして、大人の役割は、無知の子供たちを良い方向へと導く場を作ることである。私たちは、利益のみを追求した「啓蒙」ではなく、良心と倫理に従った「啓蒙」で子供たちを幸福へと導く使命があるのである。

写真:昼ごはんを食べるインド人
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